大規模災害が発生した時、被災した方の生活再建には、ボランティアの力が必要不可欠です。茨城県においては、平成27年9月の関東・東北豪雨や、令和元年の東日本台風などで被害が出ましたが、県内外からたくさんのボランティアが駆けつけ、被災者を支援する災害ボランティア活動をしていただきました。
今後起こりうる、これまで以上の大規模な災害に備えるべく、茨城県では、令和3年4月1日に「茨城県災害ボランティア活動支援基金」を設置。共助の活動である災害ボランティア活動を支援するため、広く寄附・募金を募り、これを活用して、災害発生時に災害ボランティアの方々が活動しやすい環境の整備を図っていきます。
1.基金の仕組み
Step1:寄附・募金を募る。
皆さまの「災害ボランティア活動を支援したい!」という気持ちを、寄附・募金のカタチで集めます。
Step2:基金に積み立てる。
いただいた寄附・募金を、茨城県災害ボランティア支援基金に積み立てます。
Step3:支援に活用する。
随時、災害ボランティア活動の円滑化に直結する事業について助成します。
2.基金の活用
1) 災害ボランティアが使うスコップなど資機材の確保に助成します。
被災地でボランティア活動をするにあたっては、被害状況に応じて、スコップや防塵マスク、一輪車、高圧洗浄機などの資機材が必要になります。スコップなどは災害ボランティアが自ら持参できると良いのですが、必ずしも持っているとは限りませんし、特に遠方から公共交通機関で訪れる場合には持参しづらいものです。
そのため、被災地の災害ボランティアセンターで一定数を用意し、災害ボランティアに貸し出すことができるよう、資機材調達の経費を助成します。
2) 災害ボランティアを活動場所まで送迎する移動手段の確保に助成します。
被災地に駆けつけた災害ボランティアが速やかに活動を開始するためには、活動現場までの移動手段を充分に確保する必要があります。そのため、災害ボランティアを災害ボランティアセンターから活動現場まで送迎する自動車のリース料や、公共交通機関がマヒした場合に災害ボランティアを被災地まで長距離送迎するボランティアバスの調達経費などを助成します。
3) 災害ボランティアが円滑に活動できるようにするシステム構築に助成します。
災害ボランティアセンターでは、災害ボランティアを受け付け、被災者ニーズとのマッチング(作業内容の割り当て)などの活動調整を行いますが、大規模災害時などでは、朝から受付に行列ができ、実際の活動に入るまでに数時間かかることも多々あります。
このロスタイムを解消し、災害ボランティアの善意・活動をより多くの被災者支援に繋げるため、災害ボランティアの事前受付や円滑なマッチングに効果的なシステムを平時から構築しておくための経費を助成します。
3.(参考)災害ボランティアセンターの概要
災害ボランティアセンターとは
災害ボランティアの方々が被災地において被災者支援を円滑に行うためには、「ボランティアを希望する被災者」と「災害ボランティア」を結び付ける役割が必要となります。
被災者のニーズ(困りごと)を調査・把握し、被災地を訪れる災害ボランティアの方々にボランティア作業の紹介、活動現場までの案内・送迎などを行うのが、災害ボランティアセンターです。
本県では主に、被災した地域の社会福祉協議会が中心となって、災害ボランティアセンターを立ち上げ、訪れる災害ボランティアを支援しています。
災害ボランティアセンターの仕組み
① 災害ボランティアセンターでの受付
災害ボランティア活動を希望する方は、災害ボランティアセンターを訪れて受付をおこないます。(近年ではコロナ禍もあって、インタ―ネット上での事前受付や、QRコードなどを利用した当日受付を導入するところも増えています。)
② オリエンテーション
オリエンテーションにおいて、災害ボランティア活動の流れや心構え、活動上の注意事項などの説明を受けます。
③ マッチング
被災者からのニーズ(助けて欲しい事)と災害ボランティアの調整(マッチング)をおこないます。提示されたニーズの中から、希望する活動内容を選びます。
④ グルーピング
自分の活動内容が決まったら、一緒に活動するグループを作り、リーダーを決めます。
また、グループ内で活動内容の詳細を共有します。
⑤ 資機材の貸し出し
スコップや一輪車など、活動現場での作業に
必要な資機材を受け取ります。
⑥ 活動現場への移動
準備が整ったら、災害ボランティアセンターが用意した送迎車や専用マイクロバス、災害ボランティアの自家用車、近ければ徒歩などで、活動現場(依頼者の被災した自宅等)に移動します。
⑦ 災害ボランティア活動の実施
活動現場についたら、依頼者に作業内容を改めて確認し、現場の安全確認を行い、チーム内で役割分担を決めて作業に取りかかります。
⑧ 活動終了後
その日の活動が終了したら、災害ボランティアセンターに戻ります。資機材を返却し、リーダーは活動結果を報告します。
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